ステチルの大学生

医学部に行ってます。

レポート12 解剖見学について

本日、○○大学医学部で解剖実習見学がありました。まず見学前のイメージとの相違点として決定的だったのが、御献体の外観でした。解剖なので当然体を切り開くわけで、安直に血まみれの凄惨な現場なのだろうと考えていたわけですが、全く違いました。保存の観点からおそらく血抜きが行われており、血を想起させるような名残はどこにも残っていませんでした。その代わり全体的に黄色で、解剖をしている方々によると脂肪の色だということがわかりました。その脂肪が取り除かれて骨がむき出しになっている場所などは(イメージ的に)鶏の手羽元のような見た目でした。
解剖は下半身を中心に行われており、実習生の方々は足から下腹部にかけて通る血管や神経について確認していたようです。神経は思っていたより太く、実習生の方がそれを扱っているのを見るあたり、かなり弾力があり丈夫な造りになっていることが窺えました。私にとって神経というのはかなりミクロな印象があったので、血管と同じくらいの大きさがあったことには正直意外でした。あの中を神経伝達物質が通っていると想定されますが、血液と違って具体的にどういうものなのか全く思い浮かびません。また肉が付いた状態では分かりませんが、上半身は腰骨が一番横に長かったです。脂肪と骨の間に膜のようなものがあるため、そこから骨が半ば透けるような形で見えました。どれが筋肉なのかはよく分かりませんでしたが、骨の上に直接肉が乗っているわけではないということがわかりました。
一番驚いたのはへそです。へそはどうやら肉質的なものではなく、どちらかというと骨に近い成分で形作られており、脂肪が全て取り除かれるとへその形が顕著にあらわれました。私はてっきり腸のような組織でできた管がお腹の中心と繋がっているだけと思いましたが、どうやら違うようでした。母体にいる期間しか使われなかった器官であるだけに、日常生活を送っているとへそというものを単なる飾りのようなものとしてしか意識しないからか、こうして人生を終えられた御遺体に胎児期の名残りともいえるものを見つけて、改めてどんな人でも起源は各々の母親のお腹にあるということを感じました。
また、鎖骨の周りの骨や血管の複雑さにも衝撃を受けました。鎖骨あたりに色々管が通っていることは体感的に分かりますが、いざ実物を見てみると、どれが骨でどれが何の管なのか分からないくらい通っているものが多く、まさに体内における交通の要衝のような場所でした。
今回の解剖実習見学は体の内部を直接見るという初めての経験であったため、予想と違った所や発見などが多くありました。人間の基本的な体の構造は同じであるため、もはや自分の体について実際に知ったようなものです。これから医学を学んでいく上で、初心に帰るという意味ではこれを原点となる経験として、今日感じたこと、思ったことを脳内に忘れず留めておきたいと思います。 

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