ひきこもりの大学生

医学部に行ってます。

研究の世界は厳しいってコト

 もうすぐ2023年も終わろうとしておりますが、いかがお過ごしでしょうか。筆者はこの半年間ほとんど勉強せず、悠々自適な生活を送ってまいりました。医学部なのに何で?と思うかもしれませんが、これは当大学当学部当学科が3年次に設定しているカリキュラムのせいであります。

 普通大学生って4年生で研究室だかゼミだかに入って卒論を書くものだと認識しておりますが、当学科では3年生でそれに近しい期間がいきなり半年間設けられ、各々が希望する研究室に配属されて研究などに携わるというのがあります。ちなみにこの間一切授業はなく、テストもありません。(一応外部講師を招いた講演会的なものはあった) このカリキュラムを我々は「自己開発コース」と呼んでいますが、まあ当然単位は出るので必要最低限にはこなす必要があります。

 医学部を出た後の方向性としては一般的なお医者さんである臨床医と、研究や論文執筆を行う研究医の2つに大別されます。比率としては大体20対1ぐらいで、学年に数人研究医になる人がいて後は全員臨床医になるみたいなイメージです。一応筆者も後者の人間で研究医になるつもりは今の所ありませんし、大部分の人が私と同じ例に当てはまる思いますので、「この半年にわたる研究活動に一体何の意味があるのか?」や「国家試験とかに備えて普通に勉強した方がいいのではないか?」といった疑問は当然湧いてきます。まあこの疑問は結局解消されることはありませんでした。研究活動、それ意味ないからwwwwww

 

 ちなみに筆者が配属されたのは免疫学講座で、後から知ったんですがそこの教授は国内でもその分野の重鎮でかなり御高名な方でした。その分野とは「CAR-T細胞療法」の研究です。CARとありますが車とは一切関係ないです。これは数あるがん治療法のひとつにあたりますが、そのうち人間に備わっている免疫機能を利用した俗に言うがん免疫療法というやつで、血液がんに適応があります。そして1回打つのに3000万円かかります。いや誰が使うねんこの治療。まあでも命と金を天秤にかけたら決して高くはないんでしょうかね。その時になってみないとわかりそうもありません。

 

 そんなこんなで半年間CAR-T細胞について実験を見たり手伝ったりして研究活動を行いました。そして以下のように固く決心致しました。

 

「研究医には絶対ならんとこ」

 

 ぶっちゃけると研究を見ててそんなに面白さは感じませんでしたし、あたかも実現し得ないものを求めて終わりのない道を歩んでいるようで、これが自分であれば苦痛に感じてしまうかもしれないような世界でした。まあもともとなるつもりもないんですが、さらに決心が固まったという感じです。研究の分野が違えば考えも変わるのかも知れませんし、今回携わったCAR-T細胞療法というのはがん治療の界隈ではそれなりに新規性があり画期的な治療法として期待されています。そもそも免疫学講座を選んだのは先輩の資料を見た感じ楽そうだったからで、免疫に興味があった訳では全く無いのが実情です。まあ確かに基本的に週2の2時間ぐらいでかなり楽でしたし、勉強にもなったと思います。

 その自己開発コースも先日終わりを迎えました。当研究室の益々のご活躍を期待しつつ、筆者は研究の世界からは永遠に身を引かせて頂く所存です。お世話になった先生方には再度お礼を言わせて頂きたく思います。半年間ありがとうございました。筆者が将来血液がんになったら格安でCAR-T細胞売って下さい。手伝ってあげたので当然の見返りです。