ひきこもりの大学生

医学部に行ってます。

核攻撃に耐性のある建築構造について

 私が自由に設計できる建築家もしくは設備技術者であれば、 外部からのあらゆる脅威に耐えられる建造物を設計したいと思いま す。ここでの脅威というのは、地震津波、 爆撃から核ミサイルまで幅広いものを指します。 核攻撃に耐えられるなら大概のことは心配ないので、 以下では核攻撃に耐えられる建造物の設計という趣旨で意見をまと めようと思います。

 まず核攻撃の脅威としては大まかに熱線と爆風、 放射線の三つがあります。 熱線攻撃に耐えるための耐熱構造としては、 ロシア国立技術大学が開発した現在知られている中で最も高い融点 を持つセラミック材料である、耐熱ハフニウム‐炭素‐ 窒素の三元系セラミックを使用します。 これは金属で最も高い融点を持つタングステンの3410℃ を超える4000℃以上の熱に耐えられると言われており、 宇宙素材としての活用が期待されています。 広島原爆を例にとると、爆発の瞬間落下中心地付近では約3000 ℃から4000℃の高温になったとされているので、 耐熱の許容範囲内であると言えます。ただ、 爆発の瞬間にできる最大直径280mの火球の温度は中心部で100万℃を超えるので到底耐えることができず、 火球に巻き込まれない範囲であることが必要です。 核ミサイルも同様、 直撃されればノーダメージとは流石に行かないのでその可能性は考 慮しません。次に熱線の直後に襲ってくる爆風ですが、 これに関しては特殊素材などを用いず単純に構造そのものを堅牢に すればよいため、 加えて建造物の形状を工夫すれば十分対処可能と考えます。 具体的には、 なるべく地面と直角になっている壁のような部分を減らし、 三角屋根のように風を斜めに受け流し風圧力が作用する部分を減ら すような造りにすれば、 爆風の大部分は建造物に被害を与えることが無いと考えます。 最後に放射線による被害を防ぐにあたっては、 現在原子力発電所などで使用されている遮蔽材を用いるのが最適と 思われます。候補としては、 まず鉄や鉛といった金属が挙げられます。これらは両者とも原子番号の大きさからガンマ線の遮蔽能が高く、 放射線源がガンマ線のみという場合であれば遮蔽材として極めて有 効です。また中性子の初期の減速過程において鉄は有効ですが、 鉛はその原子核の安定さから中性子を吸収しにくく、 非弾性散乱に対する振る舞いは期待できません。なお、 弾性散乱による中性子の減衰は両者とも期待できません。 そこで軽量の原子核を多く含む水やポリエチレンをはじめとした含 水素材料を用いることで、 弾性散乱による中性子減速能を飛躍的に高めることができ、 中性子遮蔽材として有効となります。他にも、 二次ガンマ線の発生を抑え中性子の減速材及び反射材として用いら れるグラファイトや、残留ガンマ線の問題を回避できるホウ素、 そして複合元素(酸素、シリコン、アルミニウム、鉄、 カルシウム、ナトリウム、カリウム及び水素)で構成され、 これら各元素の平均的な核特性を併せ持つコンクリートなどが遮蔽 材として挙げられます。 これらの核特性を踏まえた上で遮蔽材として用いれば、 建造物はかなりの放射線耐性を備えることができると考えます。

 以上三点から核攻撃に対する耐構造について考察してきましたが、 仮に国の予算を全てつぎ込んで上記のような建造物を実現したとし ても、 至近距離からの核兵器の炸裂にはどうしても対処することができな いということが分かりました。 これが核兵器史上最大級の威力を誇る水素爆弾ともなれば、 爆発中心部の温度は瞬間的に数億℃にも上るため、 もはや回避のしようがありません。 また隕石の衝突などに関しても、 家ほどの大きさのものが核兵器の威力を容易に超えると言われてお り、不可避であると考えるしかありません。 そもそもそのような規模の戦争や災害が起こったとしたら、 建物一つが無傷であってもどうしようもないので、 防衛に徹するよりは和平の実現に向けて行動を起こしたほうが、 人類のためになると言えるのではないでしょうか。

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