ひきこもりの大学生

医学部に行ってます。

悪しき慣習

  現在私は某大学医学部軟式テニス部に所属しております。練習は週一ですが土曜一日練であるため、次の日曜日は確定で筋肉痛になります。現在そのような疲弊した体で文章を起こす訳は、当部活において顕著な年配至上主義に対し不満を抱いたからに他なりません。他の大学でもどうとかは知りませんが、真の平等主義者(not共産主義)である筆者から見た当部活の実態に対する辛口批評を致します。

 

 まず、年配至上主義というのは私が勝手に名付けたものであり、若干の語弊があります。というのも、年齢より年次が優先されるという点です。例えば、2浪で入学した21歳の1年生と、現役合格した20歳の2年生とでは、後者の方が立場が上ということになります。なので浪人や留年はしない方が良いみたいです。そしてこのヒエラルキーのトップに位置するのが、医学部を卒業したOBであります。正直このOBへの対応が極端に重要視されているのが、悪しき慣習の最も大きな側面です。今日もOBが部活に来たのですが、まるで大統領を護衛するSPかのように部員が10人近くでOBを取り囲み、入退場に付き添っておりました。そしてお帰りの際には50人を超える部員が大群を成して各OBに挨拶回りをします。さらに、OBが試合に参加する時などは、ボールパーソンという従者をお抱えになります。この栄誉ある職務は、試合中常にコート後方で片膝立ちの姿勢を保つことを強いられ、コート外に出たボールを全速力で取りに行き、OBに手渡しすることが求められます。この片膝立ちには両足を直角に曲げるという規定があり、逸れたボールに対しては初速を最大にしてOBが拾うより早く確保しなければならないと仰せつかりました。この至れり尽くせりっぷりや、マリーアントワネットも仰天でありましょう。いえ、決して革命を起こすなどして現体制の打破を図ろうとしているのではありません。

 

 今週の祝日にはOB至上主義の権化とも言える、OB戦なるものが開催されます。概要は至ってシンプルです。全トーナメントはOB有利に組まれ、試合中はOB有利になるような判定、OBのダブルフォルトの隠蔽、果ては故意のミスをして得点をOBに明け渡す必要にも迫られます。そして我々は一回戦敗退を確約され、その後一日中ボールパーソンをしなければならないという実にふざけた催しであります。こんなので勝ってもOBは嬉しくないでしょうし、我々も雑用で貴重な休日を潰すというlose-loseの関係が成立してしまいます。さらにこの催し、雑用を押し付けられるだけにも関わらず、会費と謳って6000円も徴税されます。もはや呆れるしかない傍若無人ぶりであり、むしろこっちに金払えやと言いたくなります。休日を潰して一日中雑用や労働に追われ、挙句6000円も払わなければならないというかつて類を見ないクソイベントですが、参加しなければ他の部員に白い目で見られること請け合いなため、筆者も誠に遺憾ながら参加するという事態になりました。こんな生産性の無い催しに休日返上するとか最悪ですが、これもヒエラルキー制度の負の側面をしかと確認するための絶好の機会と捉え、今後社会に出て味わうあらゆる理不尽と戦う際の、前哨戦とするのが賢明でしょう。OBは全員が現役医師であるため、ここで懇意にしておけば研修とかでコネクションが発生するとでも言いたいのでしょうか。正直そういうのは要らないし、自分がやりたい診療科をやりたい場所でするのが普通であります。そう言ってしまえば、大学生の時点で年配の者が優先される構図を吹き込まれるのも、将来国家に従順な手駒を確保すべく、国立大学法人と提携する政府もとい国家権力が目論んだ陰謀なのかもしれません。