ひきこもりの大学生

医学部に行ってます。

レポート9 がん告知について

 私はがんの告知について、基本的には本人に告げてから家族に告げるべきだと思います。患者には病態を知る権利があり医者にはそれを本人又は家族に伝える義務があるので、告知は必ず行うべきです。そして患者自身のことなので一番最初に本人がそれについて知り、その後に家族等を交えて話し合うのが多くの場合だと思います。ただし患者の年齢が幼く精神的にショックが大きいだろうと思われる時は、まず家族に告知して本人に伝えるべきか否かを委ねるのがよいと思います。患者の年齢や成熟の度合いは非常に重要なファクターであり、精神的に脆い患者はがんを告げられてパニックに陥り、自暴自棄な行為や最悪の場合自殺に繋がるかもしれません。この場合それを知らずにいるほうが本人にとって幸せとなることが多く、そこは家族とよく話し合って決めるべきです。逆に成熟して精神面でも落ち着いている患者には、本人の意向を優先させるために最初に本人に告知するのがよいと思います。迷惑をかけたくない、負担をかけたくないなど、成熟しているからこそ周りの人に負い目を感じて家族への告知を望まない患者もいると思います。また、がんであることを早めに知っておくことで、心の準備をする時間をとることができ、後の人生をより有意義に過ごせるのではないかと思います。以上から、がんの告知は絶対ですが、本人と家族どちらに(どちらから)告知するかは患者の年齢等で判断することが必要だと思います。がん以外のある程度の病気も同様だと思いますが、軽度で完治する可能性が高い病気であれば患者が幼くても本人に伝えていいと思います。幼い子供に病気が完治するという希望を与えることで、治療に対して前向きな姿勢にさせることができ、スムーズに治療を行うことができます。完治が難しい場合はその他のファクターを鑑みて本人に告知するかを決めますが、治らない病気を治ると伝えるのは訴訟のリスクも考えて避けるべきです。何より、治ると思っていたのに治らなかったという状況が患者にとって一番絶望的だと思うので、メンタルケアの観点からも患者を無理にでも安心させようとする告知は控えるべきです。基本は正しい情報を伝えることですが、患者の気持ちにも配慮した告知の仕方が重要です。